2006-06-27 川上弘美『神様』 読書 短編集。 表題作がプロローグ、その続編がエピローグ。 せつなさと仄かな毒。 『離さない』 このまま永遠にいられるなら。 それが変わらぬ人の願いではないのか。 「離さない」 その瞬間、主客転倒する。 あれほどに手放したくなかった人魚から逃げ出す。 「離さないでいるだけの強さがぼくにはなかったのかな」 人とは、何かを従属させたいだけのいきものなのだろうか。