もう一つ
宮古でのエピソードを紹介したい。
暁闇の頃。
窓の外は分厚い曇。
再びベッドに潜り込みうつらうつらしていたとき。
ずしり、と重みが掛かる。
拙いな、と思った瞬間にもう金縛り。
金縛りになったらとりあえず声を出すように試みる。
声が出るから解けるのか、解けたから声が出るのかは判らないのだけど、何もせずに固まってるのも悔しいからそんな対応をする。
だが固まるだけでは終わらなかった。
お臍の当たりに足の裏の感触。
誰かが満遍なくお腹を踏み付けている。
うわ。
ちょっと怖いぞ。
こんなふうに中絶させるような文化が宮古島にあったとかいう史実が在ったらどうしよう(※)と思いつつ、隣で眠る友人に助けを求めようと試みる。
声はやはり出ない。
もがいて、もがいて。
漸く解放されて。
酷く疲れて、そのまま眠りに落ちた。
そして夜が明けて。
朝食前の散歩中、連れが言う。
「夕べ寝言言ってたね〜」
・・・それは一般的には魘されているっていうのだと。
助けてくれよ。
そして宮古から帰って数日後。
下がらない熱に昏睡していたときに同じような金縛り。
今度はお臍の両脇を指圧された・・・
※ 本当に史実としてあっても、怖いので知らせないで下さい