ダイアログ・イン・ザ・ダーク 2007 東京 学校の放課後〜冒険編〜@旧赤坂小学校

Dialog in the Dark : 闇の中での対話

眼底に遺った光がいつまでもちらちらと。
しかし視覚が使えないことは経験則として判っていたのでそれには頓着せず皮膚感覚を、耳を、鼻を、研ぎ澄ます。

寧ろそこまで遺る強い光を浴びまくってるんだなということが薄ら寒い。

前回は見えないのに風景が脳内に描かれる不思議を味わったわけだが、今回は「存在している、でも知らない学校」であるため脳内にイメージが拡がりきらなかった。

知らない、というのは認識にとっては無を生み出すものであって、先天的全盲者に色の概念を伝えるのが無理(赤はどういう色かを感覚的に説明できますか?)なのと同じ理屈で。

アテンドのスタンス(今回は結構放置気味・・・DID発祥のドイツやヨーロッパ圏内ではこちらが普通なのかも)によっても印象が相当変わってくる。去年のアテンドは状況説明が上手くて、だからイメージを誘導されている気はするものの「感じ取った」ものの印象は相当強かったのだ。

終わった後、設営に関わったというスタッフさんと少しお話させて頂いたのだけど、どちらかというと仕掛けに一生懸命になってしまっていて、共有すべき感覚再現という観点は若干欠けているような。少人数ならそれでも良いのだけどね。


ただ、やはり今回も天井が低い(もしくは自分の周りに何かがあるような)感じがしてならなかった。

白杖が、手すりが、壁が、といったよすがが無いとなんて不安定なのだろう。

見えているときだって、本当はよすがなどないのに。